冬芽

掲載日:2011.12.25

凍った道を歩いていて、街路樹に意外なものを発見しました。それぞれの枝の先に、細い銀色の毛に包まれたふっくらとした芽がついています。3センチ位で思いのほか大きな芽です。

木の芽の成長は春に突然始まるのではなく、冬の間にかなり進行しているのだな、とあらためて驚きました。春ただちに活動を開始するためには、冬もただ眠っているのではないのですね。

では、この冬芽はいつ出来ていたのでしょう?
私が気がつかなかっただけで、なんと夏にはすでに、小さく出ていたのだそうです。夏の太陽を受けて盛んに生産活動をする一方、木は来年の準備もしていたのです。なんて健気でしたたかな。

ところで、この銀色の冬芽は何の木でしょう?
ネコヤナギ?ではありません。ネコヤナギの銀色のしっぽは早春に川辺で咲く「花」。
厳寒の街中で咲くはずはありません。

記憶をたどると、春やっと雪が融けた頃、白い花が咲いていたような。
「キタコブシ」?それとも「ハクモクレン」でしょうか?

キタコブシとハクモクレンは似ています。「山に生えているのがコブシ」とか言われても、街路樹の場合は困ります。

「可憐なのがコブシ。押しの強いのがモクレン」なんだかなあ?

花びらが6枚(実は3枚はガク)で「横や下向きに全開」するのがキタコブシ。花びらが9枚で「上向きに半開き」に咲いていたらハクモクレン。街路樹なので近くで観察できます。この方法なら確実に見分けられそうです。来春の宿題ができました。