女子トイレのこと

掲載日:2012.04.27

先月、お世話になった先生の最終講義を聞きに、母校を訪ねました。数十年ぶりに足を踏み入れた校舎は、懐かしいようでもあり、まるで知らない建物のようでもあり。

講義の前にトイレに行っておこうと、勝手の違う建物の中を迷いながらたどり着いて、びっくりしました。

明るく広く、大きな鏡と広いカウンター。ゆったりとした通路は太めの学生や妊婦さんでも大丈夫そう。思わず自分が、工学部の数少ない女子学生だった時代を、思い起こしてしまいました。

3人も入ればドアが開かないほど狭くて。窓はなくてうす暗く。小さな手洗いがひとつあるだけだったけれど、皆たいしたお化粧もしないので不便はなかったか。しかも、男子トイレとの仕切りの上(下?)は空いていた(らしい)。年頃の乙女たちは恥じらうことはなかったのか?建築科出身なのに、数十年前の記憶は相当うろんです。はて、個室は1つだったか、2つだったか。

女性が少なかった時代の工学部系の学校では、女子トイレが狭くて少なくて遠い、のはよくあることで、当人たちは特に不満に思うこともなかったように記憶しています。

講義の後、元女子学生たちと語り合った結論。「わたしたちが、数十年それぞれの仕事で社会貢献できたかは不明だが、少なくとも工学部にきれいな女子トイレが出来るためには、役には立ったかも!」

4月も過ぎようとしています。新しく学び始めたり、働き始めた女性たちが、快適な環境でのびのびと頑張っていますように。もちろん男子も!