古い懐中電灯

掲載日:2015.03.26

本棚を掃除していたら、本のすき間から青い懐中電灯が出てきました。そこに置いたことも、それを持っていたことすら忘れていたモノ。懐かしく眺め、スライドさせるスイッチを入れてみると、弱いながらも点灯するではありませんか。

円筒形で、ずっしりと重いのは、太い単一の電池が2本も入っているからです。(測ってみると349g)いまや昭和の骨董品かも。お尻のところには、大きなJISマークと近年社名変更した大メーカーの昔の名前が印刷やシールではなく、深々とプレスされています。

一人暮らしを始めた頃、父が持たせてくれました。青い胴体とぴかぴかの金属部分がきれいで、新しいおもちゃをもらったような気分でした。

たまたま家にあったという風に、思いついたようにくれましたが。今思えば、父は私に持たせるために買ってきたのだったのかもしれません。

小さなアパート住まいだった時は、よくブレーカーが上がりお世話になりましたが。何度か引っ越すうちにブレーカーも落ちなくなってすっかり忘れ、今ではスマホが懐中電灯の時代。

災害などの非常用に、スマホの充電用に手回しやソーラーの発電機が付いたライトを買っておくといいかな、とは思っていました。

いざと言う時、この重い懐中電灯を持って避難するってどうなの、と亡き父に言ってみましたが、当然返事はしてくれません。

非常時、つぶれたり濡れたりしてスマホが壊れることがあるかも。その時、こいつは無事かもしれないし。

捨てられず、新しい単一電池に替えて、再び本の上のすき間に入れました。忘れないようにしなくちゃ。