妖怪ケセランパサラン

掲載日:2016.08.11

さすがに暑い日が続きました。日中は外の熱気を遮断したくて、窓を閉め切る日もありましたが、夜から朝にかけては窓を開けて涼しい外気を入れて換気に努める我が家です。

そんな真夏の朝、バルコニーにいた夫が呼びました。「妖怪がいるよ~」。スマホも持たずに空中を指差しています。ああ、これはいけない、朝から熱中症?幻覚は、かなりよろしくないのではなかったか。

でも私にも見えてしまいました。幻覚ではなく空中をふわふわと漂う白い毛玉。これは「ケセランパサラン」です!

それは伝説の未確認生物で、捕まえて持っていると、幸運がやって来ると言われているのです。飼育箱は空気穴をあけた桐の箱。エサはおしろい(?)で、頻繁に見てはいけないなどの注意があります。フンをしたり、繁殖したりすることもあるとか。

昔、持っていたことがあるのです。新婚家庭にふわふわとやって来たのを捕まえて、ジャムの空ビンに入れて、食器戸棚の隅に置きました。長い間そこにいたのですが、思い出して見た時には消えていました。エサが悪かったのでしょうか。肌色のパウダーは「おしろい」ではないからなあ。

人生二度目の幸運をつかもうと、夫婦でふわふわを室内に追い込み、再びジャムの空き瓶に確保しました。空気が通るように、フタはゆるく載せるだけにします。どこかに桐の箱があったかな。そうめんの木箱は薄過ぎるし。

でも、ジャムの空き瓶は観察に便利です。直径4cmくらいの球形に、中心から細い毛が広がっています。あまり密ではなく、涼しげに透けています。よく見ると、その毛からさらに細い毛が、枝のように出ています。ルーペが必要ですね。

フタを開けてそっと吹くと、ビンの中で考え深げに動き回ります。生きてるわ(!^^)

さらに数日して見ると、球体の中心に小さな眼のようなものが。前は無かったような気がするが、とビンをひねくり回して調べていると、ビンの底に小さなフンをひとつ発見。

長さ 2mmほどの俵型で薄茶色。片側の端に白っぽいヘタのような部分がついています。球体の中心の眼は、この俵が抜け落ちた穴かも。

たんぽぽのような綿毛で種を運ぶ植物かもしれません。調べてみましたが、はっきりと植物の名前はわかりませんでした。ご存知の方はいらっしゃいませんか?

それとも、やはりこの子は妖怪なのでしょうか?