うらなり

掲載日:2017.09.11

友人たちとのランチ会。ご主人が作っている畑の収穫物を持って来てくれた人がいました。トウモロコシと枝豆と西瓜。トウモロコシも枝豆も、ぴっちりと実が入り、見事な出来です。

友人夫は、農家の長男で跡継ぎになるべく仕込まれたのですが、サラリーマンになってしまったのです。でも、めでたく定年退職し、いよいよ畑に戻ったのです。

「西瓜はうらなりなので、ちょっと自信ないらしい」。ずっしり立派なサイズで、縞もくっきり入っていますが。

「うらなり」って?確か漱石の坊ちゃんに、そんなあだ名の登場人物がいたような記憶が。顔色が青白くて、ちょっとむくみがちな人だったかしら。

友人の説明によると、西瓜は1本の株に2個しか実をつけないように作るのだそう。そして、メインの実は甘くて種が黒くて美味しいけれど、次に穫るもう1個は甘味が薄く、色も冴えず、種が白い。それが、うらなりなのだそうです。

切ってみると、赤い身の部分が少し小さくて、皮の白い部分が厚いようです。でも充分甘いし、さくさくした食感や瓜らしい香りも、かえって美味しいよ、と友人たち。

皮の白い部分が多いので、別の友人が西瓜の皮の漬け物を作ってくれました。少し赤い部分が残してあるのがきれいです。軽く塩をして浅漬けにして、各自お持ち帰り。

我が家では、冷蔵庫に残る残り半分(!)を、1週間かかって完食しました。赤い身のところと皮の白い部分を切って、それぞれ袋に分け、赤は朝食におやつにデザートに。白は豚肉と炒めたり、貝柱など入れて中華風スープにしたり。

うらなり、食べごたえがありました。