夏の始末

掲載日:2020.10.26

猛暑の上に、湿度が高かった今年の夏。生まれてこのかた北海道で暮らし、梅雨も、じめじめも、蒸し蒸しにも悩んだことのない幸せだった私でしたが。

初秋のある日、久しぶりに上着を着て出かけようとした夫の腰ポケットのあたりに、しみがあるのに気がつきました。黒っぽい生地に、もやっと手のひら大の白いしみ。

よく見ると、それは「カビ」でした。うわ!別のを着てもらおうと探すと、クロゼットの中のそのあたり一帯が、軒並みカビにやられているではありませんか。ぎゅうぎゅう詰めで風が通らず、どれも汚れがちな裾のあたりに、もやもやが(T_T)

くらくらしながら、パイプから衣類を下ろし、室内にカビ胞子をまきちらさないように、庭のテーブルで広げて点検しました。

幸い今年は、マスクや消毒スプレーが揃っています。ブラシで落とせるものは落とし、屋外なので盛大に消毒スプレーをまき散らし、自宅で洗えるものは漂白剤を入れて洗いました。

ジャケット類はクリーニング店に。店のおねえさんは「PS(近所のアウトレットモールにあるやや高ブランド)なのに〜」と悲しんでくれましたが、私はもっと悲しかったです。半端ないクリーニング料で。

おねえさんはさらに「高気密住宅はカビやすいらしいですよ」と教えてくれましたが、それはよくある誤解。そもそも、こう気温と湿度が高くて、窓開けっ放しでは同じことですし。人工的に室温と湿度を下げる(つまり冷房)なら、高断熱高気密が有利です。(高気密住宅では、隙間風はありませんが、換気は十分されます)

建物の冷房も検討しよう。しかしその前に、再びクロゼットに同量の服を戻しては意味がありません。クロゼット内も密集を避けなくては。いつの間にか増えてしまう服を減らさなくては。

その服を着て可愛いかった人もカッコよかった人も、もういない。
もし今、友達がその良質だけれど古風な服を着ていたら、しかもカビ臭かったら、私は「?」と思うかも。そもそも体はひとつ、そんなに多くの服は不要なのだし。

で、着ない服は処分しよう!適量の服を適度に着回して、自動的にチェックと手入れができるようにしよう、と。断捨離フレーズがかつてなく力強く響いたのでした。

その後、パイプ吊のクロゼットだけでなく、整理タンスの引き出しの中にもカビが発生していたことが判明しました。(乾かない洗濯物をしまう度に、気にはなっていたのです!^^)

秋の日々、払ったり、ブラシしたり、洗ったり、日に当てたり、磨いたり、スプレーしたりと気が滅入る作業が続きました。カビのない暮らしは、風通しのいいココロから〜