晩秋の仕事

掲載日:2021.11.25

今年は雪が遅くて、例年は出来ない晩秋の仕事を長くしています。今年植えた宿根草の面倒をみたり、通路脇のススキを刈ったり、気になっていた石を掘り出してみたり。この季節の庭仕事は、半枯れで植物たちがわかりやすく、ボリュームも手頃になっていて、虫もいないし意外と楽しいのです。
まだ青々としているミントを切ってコップに挿しました。クレソンとセリも根がついたまま、ガラスのボールに入れてみました。春まで緑の少ない室内に元気をくれるようです。お料理の飾りくらいにはなってくれるでしょうし。
寒さに弱いので、池から早めに取り込んでおいたホテイアオイは、金魚鉢の中でつやつやと絶好調です。早くも成長著しく、鉢から溢れ出しそうです。
玄関の前の大きな柳は、家が建つ前からあった古い木で、野鳥たちの大好きな木です。
その木のまわりに水仙の球根を植えていたのを思い出し、春一番に陽当たりがいいように少し草を刈っておくか、としゃがみ込んでいると、小型の鳥の群れがやってきました。
下から見上げると小さな丸い体と長い尾羽。チュリチュリチュリと小さめの声でにぎやかに鳴きながら、細い枝先の芽か虫でも食べているもよう。
シマエナガです。可愛い顔で人気ですが、見上げの逆光で顔は見えません。小さな脚で枝先にとまるので、ひっくり返ってぶらさがっている子も。ぶらんぶらん可愛い!息をひそめて喜んでいる間に、去っていきました。
エナガちゃん、落ち着きがない。人に自慢するために写真を撮りたいのですが、スマホを持ち上げる間に行ってしまいます。
ある野鳥写真家はエナガを撮影するにあたって、周辺環境や季節を感じさせながら、ふわふわの質感を捉え、可愛い顔は正面から撮りつつ、キュートなしぐさと特徴である長い尾羽を入れ、軽さを表現するのに細い枝にとまった時、できれば側に色合い的に白い羽毛をひきたてる赤い木の実などあるとよろしい、とこだわり抜き、冬に一週間通って、やっとイメージどおりに撮影したそう。さすがプロです。
(「クマさんの野鳥日記」熊谷勝 青菁社 /室蘭在住。道内の身近な野鳥がもっと好きになります。室蘭絵鞆半島から南に渡るヒヨドリの1枚が衝撃です)
我が家にも赤い実はあります。野バラとツルウメモドキとマユミ。でも家から見えにくい場所なので、気がつけば無くなっています。エナガでなくても鳥がついばむところを眺めてみたいけれど、寒中観察はいや。
葉が落ちて明るくなった木々の間を、野鳥たちが飛んで来て、餌台まだですか〜と催促していきます。