贅沢な食卓

掲載日:2010.10.25

「栗拾いに来ない?」と誘われて、友人の家の野菜畑にお邪魔しました。
秋の明るい陽射しの中、少し片付いてさっぱりした畑の風情もよいものです。

シソが大きな株になって、畑のところどころにあります。毎年、種が落ちて生えてくるので、邪魔にならないのを残しているそう。
伸びる先を切って収穫しているうちに、こんもりとした株になってしまうそうですが、今頃はそこに花穂が立って花盛りです。

青ジソには白い花、赤ジソには濃いピンク色の花。
小さいけれどよく見るとひとつひとつがぷっくりと可愛い形です。秋の日を惜しむように蜂たちが忙しく働いていました。

「切り花にも素敵よ」と言われて、赤ジソ青ジソ取り混ぜてひと抱えもらいました。
ガラスの大きなジョッキに入れて食卓の上に置くと、爽やかでいい感じ。小さな花と赤ジソの濃い紫色が室内によくなじみます。

シソの花といえば、短く切りそろえられた数本が小さなパックになって「穂ジソ」として売られていますが、我が家のお刺身には大げさなような気がして、買ったことはありません。

食卓にひじをついて「切り花」を眺めながら、これだけ「ツマ」に買ったら一体いくらになるかしら、とほくそ笑む私。

畑では、どんどん実もできるので「佃煮(ふりかけ?)にすると美味、ごはんに合う!」そう。茎をしごいて実を集め、お酒と砂糖とみりんと醤油で煮るだけらしいので、切り花の残りはいただいてしまおうかな。

スーパーの青ジソ(大葉)はちょっぴり薬味にする高価な野菜ですが、友人は時価数千円分を刻んで、青ジソだけの炒めものにしたり。水を切った豆腐とごま油+塩であえたり。
彩りのツマではなくて、どっさりのシソにお刺身をのせてご馳走サラダとか。なんて贅沢なものを食べている人。

畑の隣の栗の木からは、時々降るように実が落ちてきます。イガは枝についたまま開いて、栗の実だけがきらきらと降ってきます。猛暑だった今年ですが、この畑は栗とブドウが豊作だそうです。