笹の子

掲載日:2016.04.29

やっと北国にも春到来です。庭や畑の話で友人たちと盛り上がりました。

庭の一角の笹に悩まされていた友人。刈っても刈っても出てくる手強い相手に、ようやく撤退のきざしが見えて来たと、嬉しそうに語りました。

「3年刈り続けたら消え始めたの」。ギザギザのついた鎌で刈り取った後、尖った根元を踏み抜くと危険なので、万能ハサミでそこを切り取るという丁寧な仕事です。よくやったね、と苦労している人たちからほめられていました。

「その笹って、タケノコはとれないの?」と聞いた人がいます。北海道では太い孟宗竹はありませんが、かわりに笹の若芽がタケノコと呼ばれて、春の山菜として食べられているのです。

庭のは細くて、売ってるのや山菜名人にもらうタケノコと種類が違うんじゃないのかな、と自信なさげな答えです。あらためて聞かれると、他の人もよく知らない。

タケノコは山で採る、皮をむいても指くらいは太い、そのへんで採れるなら苦労はしないんじゃない?やはり種類が違うのでしょうか。

近所の農家では、敷地内の道のへりのところから、脇の笹薮のタケノコを採って食べていると聞いた、と言い出した人がいました。深い笹薮に入っていかなくても、道側から採れてしまうらしいです。まあ、羨ましい。

そこから話題は、春の庭仕事から山菜の食べ方に移り、さらに盛り上がったことでした。

帰宅後ネットで調べてみました。山で採れるのは「ネマガリダケ(チシマザサ)」。よく食べているのはこちらのようです。地面から斜めに突き出すように生えてくる芽を上にひねるように折って採ります。

家のまわりで見かける細い笹は「クマイザサ」。小さめですが、こちらも若い芽を食べることができるそうです。細すぎると歩留まりが悪くなり過ぎるのが欠点ですが、少量でも、家庭で春の香りを楽しむには充分です。我が家の笹の根元ものぞいてみますか。

試してみたい食べ方があります。TVで見た「タケノコとサバ缶の味噌汁」です。タケノコをみそ汁の具の大きさに切って水で煮て、そこにサバの水煮の缶詰を汁ごと入れて、軽くほぐして一煮立ちさせるのです。お椀より小さいタケノコなら、丸ごとでも可愛いかも。