一年坊主の季節

掲載日:2017.04.25

近所の高校に「和太鼓部」があります。我が町内には、年中その練習の音が響いています。

昼休みも放課後も、夏休みなどは朝から晩まで、びっしりと切れ目なく。交替で叩いているのでしょうが、そんなに楽しいか。微笑ましいような、まぶしいような。

新入生の季節、四月はどん、どん、とシンプルな一拍子で始まります。たったそれだけの簡単なことなのに、最初は何だか据わりが悪い、落ち着きがありません。いかにもたよりない新人がおそるおそる打つ姿が目に浮かびます。

やがて整ってきて、毎日毎日、続けているうちに、しっかりと体についたリズムが出来ていくのが、近所のおばさんの耳にもわかります。響きもよくなり、複雑な打ち方も出来るようになって、ますます面白くなって夏休みに突入するのでしょう。きっと。

窓を開ける季節には、聞きやすくなっていてくれるのが助かります。体育館が練習場所らしく、夏には開け放たれたそこの側の道を通る時、間近で聞こえるのもいいものです。

知り合いの建築の木材会社の人が、和太鼓を販売していたという話をしてくれたことがありました。近所の高校の話をすると「そこの太鼓、僕が納品したんですよ」と盛り上がりました。

でも、どうして和太鼓から建築関係に?と聞くと「ん~、太鼓も木なんですよ~」と言われて、何となく納得したことでした?どぉおおん。