母 サ高住に入居

掲載日:2018.10.15

離れた町で一人で暮らす母がいます。古い家で寒くて不便で危険な部分も多いのです。
本人は住み慣れた家を離れたがらず、せめてマンションに移って欲しいと頼む子供を心配させるばかり。
そんな時、「サ高住」という高齢者を対象にした賃貸住宅があることを知りました。
http://www.archi21.co.jp/archives/2368.html

一緒に見学に行った物件が、なんと母の気に入ったようです。
この機を逃してはならじと、大急ぎで契約して、引越して、今年の冬に間に合いました。

ああ、疲れた。あれほど古い家に執着してたのにね、何で?きょうだいで首をひねりました。

やはり同じ時期に、お母さんにサ高住に移住してもらった友達は「さすがに自分でも限界だと思ったんだと思う」と。
母もそうなのかも。
友母93才、私母90才。年令から想像するよりはずっと元気そうに見えはしますが。

友母は下見もせず「そこはご飯は出るのか?」と質問。
「出る」と答えると、数冊のアルバムと懐かしの我家を描いた絵の額だけを持って、あっと言う間に引越。歩くのが不自由なおかあさん、介護度が高くなってもOKというそこの体制も、安心感につながっ
たようです。

私の母が入居したところは、かなり自立型。見た目は一般のマンションとあまりかわりません。むしろ廊下は幅広く、手すりがついて、ゆったりして見えます。

一般のマンションと違うのは、食事提供があるところ。
1階の食堂で朝夕の2食をいただきます。値段はコンビニのお弁当より少し高いくらい、健康的な家庭料理メニューが意外とそそられます。

1階には共同の大きなお風呂(男女隔日。無料)もあり、ちょっとした温泉気分。自宅浴室の掃除をしないですむのも、人気の理由だそうです。いいなあ(!^^)

1階の共同出入口は、一般のマンションのようなオートロックですが、夜8時以降は中から出る場合にも解錠操作が必要で、それは徘徊対策とのことでした。

住戸内では寝室、浴室、トイレに緊急通報のボタンがあります。
夜間は警備会社が駆けつけます。各戸玄関ドアに内側のチェーンがないのは、そのためでした。

驚いたのはキッチンが小さいこと。間口120㎝のカウンターだけ。
小さなシンクの脇に一口のIHヒーターを置けるようにコンセントがあります。
「ここで料理できるか?」と思いましたが、料理しないという前提なのですね。
お茶を入れたり、レンジで温め程度ということでしょうか。
母がこだわっていないのが少し不思議です。
個人差があるかもしれませんが、高齢者にとって食事を作るのは思いの外、大変な仕事なのかも。

他にいくつか見学した中には、一般の住宅と同じようなキッチン(IHヒーターですが)が設備されたところもありましたが、そこは食事提供をしていませんでした。
ご飯を自分で作るかどうかは、サ高住選びのポイントのひとつかもしれません。

母の引越でしたが、間違いなくやってくる自分の問題でもあります。
願わくば、最期まで大好きな自分の家で暮らしたいものですが。