木槿(ムクゲ)

掲載日:2018.10.25

我が家の隣の施設には広い庭があって、専任で管理している庭師がいます。
花木や芝生の手入れはもとより、樹木を伐採し、通路や側溝を直し、あずまやや小屋を建設し、何でもやってしまう81才。
時々、短い立ち話をします。

先日「ムクゲいらない?」と聞かれました。
新しく工事をすることになって、そこに植えてあるムクゲの木を取り払うのだそうです。

捨てるしかないからあげるよ、そこに植えればいい、と殺風景に空いている我が家の入り口あたりを指さしました。

ムクゲは、夏から秋にかけて白やピンクの花が咲く低い庭木です。
花は、5弁の花びらが小さな花芯を囲むお花型。同じアオイ科フヨウ属のハイビスカスの花に似た感じです。次々と咲いて、秋のお庭が明るく華やかになります。

若い頃習っていたお茶では、床の間の夏の花によく使われていました。
侘び寂びのお茶室の地味目のインテリアに、優しい明るい花がよく似合うのです。
寒いところで育ち、あまりムクゲの花を見たことがなかったので大好きになりました。

北海道では育ちにくい木と思っていましたが、道央あたりでは全然平気、むしろ丈夫で、挿し木でふやせる扱いやすい木なのだそうです。よかった、嬉しいです。

早速、欲深く4つも植える穴を夫に掘ってもらいました。
そういうわけなので先方の都合次第ですが、雪も近いしそろそろか?

庭師は今年一杯で退職するそうです。感謝と尊敬です。