倒れた木

掲載日:2019.03.12

陽射しが力強くなって、青空に映えた樹々の枝や幹は光っているように見えます。雪は消えたけれど、落葉樹の葉はまだ小さな芽なので、森の内部がよく見えます。

あらためて近所の木立の中を眺めると、ところどころに昨年の胆振東部地震で傾いたり、倒れたままの木が見えます。台風の翌日の地震は、二重にこたえたのです。

私の住む町では、道路や公園の倒木は速やかに片付けられましたが、今も私有地や山林では手が回らなかったり、林内部の作業が困難だったり。

我が家にも、困っている倒木があります。大きな松が地面から根を跳ね上げるように倒れ、幹は地面側の根と枝に支えられて浮いたような格好で、斜めに横たわっています。

ストーブの薪にしようよ、と気楽に考えていましたが、足場の悪い傾斜地なので素人が伐るのは難しそう。重機も入れないし。

敷地の内で危険もなさそうなので「そのまま放置」ということにしています。朽ちていくなりに少しずつ、枝を外したり、分けたりしていこう、と。どれくらいの時間がかかるか見当はつきません。朽ちるより前に、早速曲がって上に伸び始めた枝が不安ではあります。

傾いた木、朽ちて苔むした木、枯れた木などは、実は野鳥や小動物が好んで立ち寄ったりするようです。倒木の根がハングした下は通り道や巣に使われるとか。半枯れの倒木にはキノコがよく出ます。

本物の森の中では、倒木は生態系の大事な要素ですが、我が家くらいの半端なところではどうなのか(!^^)

自然は本来、天災に対しては自浄回復プログラムを持っているのでしょう。人間スケールを超えた時間で設定されていそうですが。それは超複雑系と思われるので、凡人としては自分が垣間見た一瞬から直感的に感じるしかありません。

多少人間が勘違いして、間違った修復を加えたとしても、きっと自然にとっては折り込み済なのでは。我が家の倒木は、見苦しいと近所の苦情になる可能性はありますが、自然的には多分「伐っても放置しても何とかしとくよ、大丈夫〜」。

しかし、原発の放射能汚染のような人災は、さすがに自然の浄化能力にあまります。これ以上、ひきおこしてはいけません。