ピンクの化学

掲載日:2014.08.25

まだ暑い午後、お庭で友人が冷たい飲み物を出してくれました。

水滴のつくグラスに、透明で鮮やかな濃いピンク色のジュース。素直な甘味と清々しい酸味、よく知っているような気がするこの風味は何だったかしら?奥に、ちょっとニッキのような刺激的なものも感じられ、熱い体にすうっとしみ込みます。これは美味!

それは友人お手製のシソジュースでした。家庭菜園にやたらと赤ジソが生え、雑草として抜いた分で作ってみたとのことでした。

なんてきれいな色でしょう。でも、シソの葉は赤紫ではありますが、こんなに鮮やかではありません。抜く時、手に汁がつくと茶色になります。

友人の解説によると、赤シソの色素は酸性のモノを加えると、化学反応してきれいな赤色になるのだそう。

梅干しは、梅酢がシソを発色させ、柴漬けは漬け物の乳酸が反応してあのきれいな色になるわけでした。あまりに派手なので合成着色料?昔のは地味だったのかな、とか思っていましたが。元祖は自然の化学だったのですね。今と同じに鮮やかな色だったはず。

ちなみに、友人は酸としてレモンを絞って入れたそうです。レモン風味も入っていたのですね。

抜いても抜いても生えてくるというシソをもらって帰り、我が家でも作ってみました。

あいにくレモンをきらしていたので、私はお酢で。鍋いっぱいのシソの葉を煮てザルで漉します。煮汁は、ぱっとしない色。好きな加減で砂糖を入れ、少し冷めてから酢を入れると、あのきれいなピンク色になりました。面白いです。ペットボトルに入れて冷蔵庫へ。シソの薬効とビール飲み過ぎ抑止効果が、夏バテの体にいい感じです。